本嫌いが書く文の世界

本を読むことは苦手だが、文を書くことが得意な人が綴るブログ

彼女の人生最大の危機にブラジャーをする男。

当時、私は21歳。本当につまらなさすきぎて、生きる意味を見出せずにいた10代を乗り越え。やっと人生が楽しいと思うようになってきた矢先の話だった。

当時。彼氏とほぼ同棲しており台所で朝食を作っていた時、私は急にフラフラとしてその場に倒れ込み立つこともできなくなった。体が思うように動かない。力が入らない。

必死に彼の名前を呼び、寝ぼけ眼の彼が怪訝そうに「なにどうしたの?」と起きた。

とりあえず。体が動かない、直感でこれはヤバイと自分の中で気がつき「救急車を!」と頼み呼んでもらった。

救急車で運ばれるというこの事態に彼は、寝巻き姿の彼女に「ちゃんとブラジャーしないと」と体が動かない私に必死でブラジャーをさせてきた。「いや。もう、そんなもんいらん」という私に「おっぱい見られたらどうするの!!」と必死になる男。あぁ。そうだった、この男のウザさはそういう所だった。すごいヤキモチ男だ。動けない彼女を目の前にして、心配事はブラジャーなのだ。

無事にブラジャーを着けれたようでひとまず満足の彼。その後、すぐに救急車はやってきた。近くの病院に搬送された。

事情を説明。フラフラして倒れた際に頭を打った。倒れてからは体が動かない。病院は私を見るやいなや直ぐに大きい病院へ!!と再度、救急車にのせられ、少し離れた病院へ。

緊急にCTやらなにやら検査が始まり、案の定、検査の邪魔であるブラジャーを看護婦さんが外してくれた。あの男。マジで余計なことしてくれたなと思った。めんどくさい男はいざという時もめんどくさいものである。

 

結果的に「脳梗塞」という、脳の血管が詰まる病気で、その詰まった一が左半身の動きを指令する場所だったので、左半身が動かなくなり立つことも手に力を入れることもできなくなったのだった。

左半身が動かなくなった時は、私の人生どうなってしまうんやろと本気で思った。

一生、動かないかもしれん。そして手術もしなければいけないかもしれん。と不安しかなかった。

しかし。現代の医療は素晴らしく、点滴で血栓を溶かす薬を入れ、見事に成功し、体が動くようになったのである。(この薬を使えるのは発症して直ぐでなくてはいけないため、救急車で運ばれたのが正解だった。

 

しかし。人の体は一度、数時間、体が動かなかっただけで、元のように動くのには時間がかかった。

リハビリが必要だった。病院で入院中のリハビリも男の先生が私に触れるというだけで怒っていた彼。この男はとことんめんどくさいのである。

 

退院後、直ぐに働けない私は実家へ帰ることに。

実家に帰って遠距離になって面白くないヤキモチ男がいた。

あっさりと、近くにいない女と付き合う意味がないとフラれた。どんなに好きでも、好きな人と会えないぐらいなら寂しすぎて死ぬから別れるらしい。ちょっと私にはその理屈はよくわからない。

当時は私も彼のことが大好きだったので別れてからめちゃくちゃ泣いた。でも彼のどこが良かったのか考えてみると「イケメン」ということしかない。

家事はすべて私がやってあげていたし、避妊もしないクソ男。私がピルを飲んでいたが、脳梗塞の原因がピルを飲んだことで血液が固まりやすくなり、詰まったのではないかという医者の話。そう私の体は全身調べただが、どこも悪くなかったのだ。薬を飲んで血液が固まったのを薬で溶かしたという事実もなんだか考えたらオカシイ話だが。それはいつか気が向いたら文にしよう。

 

私の人生最大の危機を作った男。

そして最大の危機にブラジャーをつける男。別れて正解だったと思う。

人生で大切なのはブラジャーじゃない。そしてイケメンでもないと悟った。

 

そして、私が脳梗塞になって得たことは。

いつか急に体が動かなくなったり死ぬ時はやってくる。人生なにがあるかわからない。

だから、やりたいことをやる。足が動ける時に。手が動く時に。

人生は危機を乗り越えて強くなる。それは間違いないようだ。

私は今、幸いなことに元気に普通に生活ができている。なんならあの時よりも楽しく生きている。

人生は何かを気づかせてくれる事件が起こる。

私は今が生きてて一番楽しいと思えるようになった。

 

今週のお題「人生最大の危機」

書いている間にお題が終わってしまったようだ・・・

ここまでみてくれた人。ありがとうごさいます。

読みやすい、わかりやすい脳梗塞35の重要ポイント